物乞い

私が住む街の交差点には、必ず?でもないけど物乞いがいます。
物乞いも縄張り?があるようで、いつも同じ人がいるように思います。
信号待ちや渋滞で車が止まっていると、老若男女をとわず車の窓ガラスを
コツコツ叩き、手でモノを食べるジェスチャーをしながら、アピールをしてきます。
最初の頃は、「コツコツ」という音にビクッとしていましたが、
しばらくするとまるで景色のようになり、無心になり無視するようになりました。
しかし、今日はいろいろ考えさせられました。
いつものように、いつもの交差点で車がとまると、いつもと同じ物乞いが
前の方から順番に車の窓をコツコツ叩きながらやってきます。
見ている限り、インド人でも恵んでいる人をあまり見たことがなかったのですが、
今日は、いつもとちょっと違いました。
私のドライバーがクラクションを鳴らし、わざわざ物乞いの注意をひいたのです。
げっ!いったい何してくれるの?と思ったら、運転手席の窓を少し開けて
コインを渡したのです。
一部始終を黙って見ていた私ですが、車が動き出してから、ドライバーに話を聞きました。
今のドライバーは英語が得意でないため、お金を恵んだ理由まで理解することは
できませんでしたが、どうやらタイミングさえ合えば、毎日でもどこかで寄付している様子。
ドライバーという職業。決して裕福な生活ではありません。
今のドライバーは家族と離れて暮らし、出稼ぎで単身こちらにきているはず。
それでも彼は、1日1RPもしくは2RPのお金を物乞いに渡しているのです。
私たちインドにいる外国人は、日々の生活に困ることなく、恐らくドライバーの給料の
何倍というお金を手にしているはず。
買い物に行けばいくつもの袋を抱えながら、一度も物乞いにお金を渡したことなど
ないマダムの姿を見て、ドライバーにどんなふうに思われているのでしょうか?
しばらくは交差点で物乞いを見るたびに、あれこれ考えることになりそうです。